大学キャリア教育講座

大学におけるキャリア教育を「就職支援教育」と誤解していませんか?

キャリア教育とは、社会的職業的自立ができるよう支援する考え方のこと。就職支援とはちょっと異なります。しかし、全く関係ないわけではありません。

大学でキャリア支援(就職支援、キャリア支援、授業など)を行う立場であれば、カウンセリングや授業運営スキルのほかに、大学教育の視点からキャリア教育の考え方を学び、現場にあわせて活かせるスキルや、大学という教育機関で働く際に気を付けておきたいことなども併せて理解しておくことも必要です。

キャリア教育・キャリア支援の現場をお持ちの方には、今後の授業運営や支援のヒントにつながる内容です。

これから大学のキャリア支援領域で活躍したいと考えている方にもオススメです。わたしたちと一緒に基礎から学んでみませんか?

動画講座も、順次公開していきます。

講座開講の目的と内容

大学でキャリア教育の授業を受け持つ講師や、大学生・若者のキャリア支援を担うカウンセラーに必要な「考え方・スキル・姿勢」の3つを習得し、大学生や若者が目先の就職活動のみならず、人生を通して主体的にキャリア形成が行えるよう支援することを目的とします。

大学キャリア教育講座の全体像

*今後も新しい講座を順次開講していく予定です。

2024年夏には動画視聴コース(e-learningシステム)を開講していく予定です。

講座の詳細情報

大学キャリア教育講座

基礎コース ※4日間版を例とした場合です。

 

1日目:<(キャリア教育が求められる)背景と周辺を理解する>

2日目:<社会理解編>キャリア教育における社会理解とは何かを理解する など

3日目:<自己理解編>キャリア教育における自己理解とは何かを理解する、自己理解をさせる際の注意点 など

4日目:<社会理解と自己理解の統合編>社会理解と自己理解の関係と重要性を考える、大学キャリア教育をめぐる課題 など

大学で教える人のためのスキルアップゼミ

 

大学の教壇に立つ方々が知っておきたい基礎事項をシリーズ化。

・高等教育論(児美川孝一郎教授)  ・現代若者論(児美川孝一郎教授)

 

*今後講座数が増える予定です

低年次学生向けキャリアサポートコース

 

おもに大学1・2年生に対するキャリアカウンセリングのしかたについて実践形式で学びます。
充実した大学生活を送るための心強いサポートになるカウンセリングです。基礎コース修了生のみ受講可能

就職支援実践コース

 

就職内定を目指す学生に対する支援のしかた(応募書類の指導法・面接の指導法をふくむ)について体系的・実践形式で学びます。

単に就職内定のためだけでなく、学生が大学卒業後にも生かせるスキルが身に付きます。基礎コース修了生のみ受講可能

*各コースそれぞれ受講条件等ありますので、当協会受講規約とあわせてよくご検討のうえお申し込みください。


担当講師紹介(敬称略)

講師を務めるのは、キャリア教育の第一人者である児美川孝一郎教授(法政大学キャリアデザイン学部)と、法政大学大学院キャリアデザイン学研究科を修了し、大学でキャリア教育科目を担当する現役講師です。

児美川 孝一郎(こみかわ こういちろう)

 

法政大学キャリアデザイン学部教授。1963年生。東京大学大学院教育学研究科博士課程を経て、法政大学教員。専攻は、教育学(青年期教育、キャリア教育)。日本教育学会理事、日本教育政策学会理事、一般社団法人日本キャリアパスポート協会理事。

主著に、『キャリア教育のウソ』ちくまプリマー新書、『高校教育の新しいかたち』泉文堂、『自分のミライの見つけ方』旬報社、『キャリア教育がわかる』誠信書房など。

 

渡邊 有紀子(わたなべ ゆきこ)

 

成蹊大学・東洋大学国際学部非常勤講師。法政大学大学院キャリアデザイン学研究科修了。キャリアコンサルタント。日本語教師。

高校教育に携わった後、企業にてマーケティング業務に従事。その後、起業を経て現職。アカデミックなバックボーンを持たない自分が、大学キャリア教育に携わる存在意義を研究したいと考えて大学院に進学し、児美川孝一郎教授に師事。研究領域は「大学キャリア教育」。

現在は、講師の傍ら、個別の大学生就職支援相談業務も行っている。今後は、外国人留学生のキャリア教育にも携わりたいと考えている。

 

野浪 晶子(のなみ あきこ)

 

明治学院大学非常勤講師。当協会理事。法政大学大学院キャリアデザイン学研究科修了。2級キャリアコンサルティング技能士(国家資格)、The Society of NLP 認定マスタープラクティショナー。

民間企業の人事職を経たあと、たまたまのご縁で大学の非常勤講師に。現場のキャリア支援・キャリア教育の実態に悩んだことがきっかけで大学院に進学。児美川孝一郎教授に師事。

学生支援以外に、若年層からミドルシニア層までの学びの場づくりやワークショップなどの講師も担当。

児美川教授からのメッセージ

私見を混じえて、大胆に言います。「大学キャリア教育講座」がねらいとすることが、2つあります。

 

1つめは、スキルやノウハウに走らないこと。もちろん、教育現場で実際にキャリア教育に携わる際には、スキルもノウハウも必要です。だからこそ、講座のラインアップには、すぐれて実践的な内容が含まれています。しかし、重要なのは、そうした実践的な内容が、きちんとした理論や考え方に裏付けられていることなのです。

 

2つめは、受講者が自ら考え、判断できるようになること。キャリア教育の現場、そして対象とする学生は、きわめて多様です。その多様性には、どこかで学んだノウハウを平板に当てはめるだけでは、とうてい対応できません。理論や考え方を目前の現実に適応させていく創意工夫や思考の柔軟性が求められます。だからこそ、1つめに述べたような、実践と理論・考え方を往復するような学び方が重要になるのです。

修了生の声(一部抜粋)

2期生(2020年度修了生)の桑野薫さんに、講座受講のきっかけやご感想を伺いました。編集ができないため(ど素人ですみません。。。)、撮ったものそのままです。全体で約17分半です。桑野さんは,2021年度シンポジウムのオトナ代表としても登壇されました。なお、肩書等はすべて2021年当時のものです。

そもそもこの講座を受講した動機には、キャリアカウンセラーの業務から離れている現状の焦りがあったのですが、この4日間は、キャリアカウンセラーとしての自分の基盤を見つめ直しこれからを考える、とても有意義な時間となりました。

4日間の講座を経て、就職支援の業務に携わっていなくても「私はキャリアカウンセラーである」というアイデンティティをもって今の仕事を捉え直すことは可能であり、そのためにもキャリアカウンセラーとしての自己研鑽を怠ってはいけないなと思いを新たにしています。他の受講生の皆さんとのディスカッションからも大いに刺激とアイデアをいただくことができました。貴重な機会をありがとうございました。(大学職員)

今まで狭い視野の中でしかキャリア教育について考えられていないこと、その結果、自分なりのキャリア教育について言葉にもできていないことを痛感しました。

私は業務委託系のキャリアデザイン講座を受け持つ機会が多いので、そもそもカリキュラム全体の確認や他部署・教職員との連携という意識がとても薄かった…むしろ無いに等しいものでした。(略)

4日間、たくさんモヤモヤもしました。一方で、仲間の世界観に触れられたり、キャリア教育について自分なりの言葉に出会えたり…という経験もできました。貴重な学びの機会をありがとうございました。(フリーランス/キャリア教育関連科目講師業)

4日間、ありがとうございました。キャリア教育とキャリア支援の連携、学生の捉え方、其々の役割を考えるいい機会となりました。私自身、キャリア支援で大事にしていたことを改めて確認できたし、日頃気を付けている事や自分の癖を知る事も出来ました。

参加時はキャリ教育にて講師としてやってみたいとの希望がありましたが、日数を重ねるごとに講師よりも一相談員として自己研鑽を積み、連携を強化するほうが自分のやりたい事だと気づきました。(大学キャリアセンター職員)

答えを与えていただく講座というのでなく、自ら考えながら学びを深めていくところ、とてもありがたかったです。グループワークや問いに対し、たくさんのことを考え、理解を深めることができたと思っております。

大学キャリア教育の学びを、今回の講座で始めるきっかけとなりましたが、引き続き学び続けていきたいと思います。(公的受給機関勤務)